がん遺伝子治療 費用について

費用/薬剤についての当院の取り組み

2009年に本治療を開始以来、薬剤の使用量・投与経路・投与頻度などについて、患者様の症状経過や治療効果を見ながら試行錯誤のもと決定してきました。2015年の薬剤の改良でコスト軽減と共に、一時的な副作用としての発熱の程度も非常に小さくなったため、使用できる薬剤の量や治療頻度をそれまでに比べて格段に増やすことができるようになりました。
今後も、薬剤の改良や投与量・投与法の見直しなどを進めて、治療効果をより高めていくことを目指して参ります。それによって、進行度や病巣の広がりが大きな患者様でも、臓器不全に至っていなければ、本治療により症状の改善や病状の進行停止が得られる可能性が大きくなると考えられます。

治療費について

病期や病変の存在範囲によって、必要な薬剤の量が異なります。
末期がんの方に対して1回で使用する薬剤の量は5~20Uが一般的です。
1週間に1~2回の頻度で治療を実施し、治療効果を確認しながら投与を繰り返します。

遺伝子製剤の投与量単位(U:unit)について

遺伝子治療製剤の投与ボリュームを表現する際に
・Titer: 遺伝子を運ぶウイルスベクター粒子の数または感染価
・ベクターコピー数
などが用いられます。

投与量単位(U)は、当院で便宜上設定したもので公的な基準ではありません。
具体的には、
当院で設定している 1Uは
1.0 × 10^8(10の8乗) = 1億ベクターコピーに相当します。

治療費内訳

初期カウンセリング費用 5,500円(税込)
5U…302,500円(税込)
10U…467,500円(税込)
20U…797,500円(税込)

症例別総治療費(実例)

がんの種類によらず治療が可能です。病状に応じて、薬剤の投与量・投与方法は異なります。

  1. 【30代女性 乳がんステージ4(肺転移、腋窩リンパ節転移) 症例】
    病歴要約:他院で乳がん手術後、肺転移。ホルモン療法で改善が乏しく当院でがん遺伝子治療を追加。肺転移巣は消失。その後、がん遺伝子治療の頻度が低下したところ、腋窩リンパ節転移再発。遺伝子治療を再開し、リンパ節転移も完全に消失した。現在6~12か月ごとに経過観察中。がんを完全にコントロールできたと言える。
    治療期間:約11年。
    総治療費:5,868,500円(税込)

  2. 【60代女性 悪性組織球症/肉腫の一種 症例】
    病歴要約:がん専門病院で手術、放射線治療を複数回実施したが再発を繰り返し、当院のがん遺伝子治療を導入。遺伝子治療のみで腫瘍は完全に消失。治療終了後5年経過して再発していない。がんを完全にコントロールできたと言える。
    >>症例の詳細はこちらから
    治療期間:約3年。
    総治療費:10,703,000円(税込)

  3. 【70代男性 膵臓がんの発生予防 症例】
    病歴要約:慢性膵炎にて治療中、膵臓がんの発生予防の目的に遺伝子治療を実施。5年以上にわたって20回を超える遺伝子治療を継続中。症状はすこぶる安定している。
    治療期間:約5年1か月。
    総治療費:3,448,500円(税込)

  4. 【60代男性 肺がん 症例】
    病歴要約:肺がん手術後に再発。分子標的薬治療や免疫チェックポイント阻害薬により病状改善するも副作用が強く標準治療の継続が困難。癌の増悪・再発の予防目的に遺伝子治療を選択。月1回の頻度で治療を継続中。
    >>症例の詳細はこちらから
    治療期間:約6か月。
    総治療費:2,612,500円(税込)

  5. 【60代男性 肺がんステージ4 症例】
    病歴要約:当院のドックで発見された肺がん(数か月前の他院の検査では異常なし)。化学療法の副作用が強いため遺伝子治療を主として選択。現在腫瘍は縮小し安定。がんをほぼコントロール中と言える。
    治療期間:約1年6か月。
    総治療費:11,390,500円(税込)

  6. 【60代女性 スキルス胃がんステージ4 症例】
    病歴要約:がん拠点病院でスキルス胃がんステージ4の診断。化学療法に併用して遺伝子治療を実施。腹膜播種巣がほぼ消失。胃の主病巣及びリンパ節転移は縮小傾向で安定。治療開始後3年以上安定している。がんをほぼコントロール中と言える。
    治療期間:約1年10ヶ月。
    総治療費:4,147,000円(税込)

  7. 【50代女性 卵巣がんステージ4 症例】
    病歴要約:他院で卵巣がんの手術後4年目に腫瘍マーカー上昇、リンパ節転移。抗がん剤治療を遺伝子治療で補完。腫瘍マーカーは正常化し病変はほぼ消失。がんをほぼコントロール中と言える。
    治療期間:2年1か月。
    総治療費:3,993,000円(税込)

  8. 【80代女性 膵臓がんステージ4(肺転移、リンパ節転移) 症例】
    病歴要約:当院で発見された膵臓がん。膵臓がん専門病院で手術。術後3年で再発(肺転移、リンパ節転移)。化学療法と遺伝子治療を併用。再発治療後1年を経過しているが病状は安定している。がんをほぼコントロール中と言える。
    治療期間:約1年1か月。
    総治療費:9,471,000円(税込)

  9. 【40代女性 大腸がんステージ4 症例】
    病歴要約:他院でS状結腸がん手術後、肝転移追加切除。その後大動脈リンパ節転移を来し、化学療法を遺伝子治療で補完。リンパ節転移は消失し症状安定している。がんをほぼコントロール中と言える。
    延べ治療期間:約10か月。
    総治療費:5,384,500円(税込)

  10. 【60代女性 スキルス胃がんステージ4 症例】
    病歴要約:スキルス胃がん。透析中でBSCと診断されながら、がん遺伝子治療により症状安定している。
    延べ治療期間:約1年1か月。
    総治療費:7,914,500円(税込)

  11. 【70代女性 胸腺がんステージ4 症例】
    病歴要約:胸腺がんで化学療法の副作用が強く治療を断念した。諸症状増悪したため、がん遺伝子治療を開始したところ病変は縮小傾向にあり、症状は極めて安定している。
    延べ治療期間:約1年6か月。
    総治療費:6,451,500円(税込)

  12. 【60代女性 スキルス胃がんステージ4 症例】
    病歴要約:スキルス胃がん治療中で、補完医療としてがん遺伝子治療を行っている。病状は安定しており、現在6か月に1回の頻度で通院加療中。
    延べ治療期間:約2年1か月。
    総治療費:4,042,500円(税込)

  13. 【50代男性 大腸がん予防 症例】
    病歴要約:当院内視鏡検査で大腸がんの疑いがあったが、病理結果で良性確認。ご本人の希望により、がん発症予防を目的にがん遺伝子治療を継続中。
    延べ治療期間:約2年3か月。
    総治療費:1,694,000円(税込)

本治療の評価できる点

  1. 治療法が確立されていない末期がんの進行を抑え、延命効果を得る可能性がある。
  2. 点滴、局所注射など体に負担のかからない方法でがん治療が実施できる。
  3. 化学療法のような体に大きな負担のかかる副作用がほとんどない。
  4. 生活の質を損ねずに症状の改善が期待できる。

本治療の今後の課題

  1. 末期がんの方を主とした過去2000回以上の治療では重篤な副作用は報告されていないが、大規模な二重盲検試験が実施されていないので、使用する薬剤は公的な承認を受けていない。
  2. 症状が進行して臓器不全に陥った状態では効果が乏しい。
  3. 治療適用が明確に規定されていない。
  4. 治療後一時的に悪寒及び38度以上の高熱が出る場合がある。
  5. 保険診療ではない。

治療の安全性について

  • RNA干渉療法については、安全性を示す複数の背景論文があり、基礎実験(マウスによる動物実験)で安全性が確認されています。
  • 北青山Dクリニックでの2000回以上の治療経験(2009~)、それ以前に他施設で治療を受けた数十名の治療実績、および国内他院での治療例(2011~)において、治療に伴う重篤な合併症の報告・経験はありません。
  • CDC6shRNA治療は大規模な治験によっては検証されていないため、FDAや厚生労働省の承認は得ておりません。しかし、治療を待機できない末期がんの患者様に劇的な効果を示したことをきっかけに臨床応用された背景があり、未承認ながら多くのがん患者様の治療に使われています。