半永久的に分裂・増殖する「がん」
体細胞は分裂によって数を増やします。 しかし、分裂・増殖する回数には限度があり、その限度は各染色体末端にある「テロメア」の状態によって決まります。 テロメアは細胞が分裂するたびに短くなり、ある程度まで短くなると細胞の分裂・増殖がストップし、その細胞はやがて「死」を迎えることになります。 これに対して、がん細胞はテロメアが短くならないため、半永久的に分裂・増殖を続けます。それは、細胞が「不死化した状態」ともいえます。
がんの特性
がん細胞は、通常の細胞がコントロールを失った状態といえます。 その活動には6つの特性があり、それらは「暴走する自動車」に例えられます。
(1)自己増殖シグナル (運転手が正気を失う)
(2)無限増殖する (アクセルを踏み続ける)
(3)血管新生 (違法にガソリンを供給し続ける)
(4)細胞死回避 (ブレーキが利かなくなる)
(5)増殖停止命令回避 (赤信号を無視する)
(6)周りへ侵入多臓器転移 (暴走して事故を起こし続ける)