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大伏在静脈不全に対するシアノアクリレートによる塞栓とラジオ波焼灼の無作為比較試験

背景

伏在静脈不全に対する熱焼灼術は非常に有用である一方、全ての熱による焼灼術は静脈周囲の筋膜下にTLA麻酔が必要となり、標的血管に沿って多数の穿刺をしなければならない。予備証拠に基づくものだがシアノアクリレートによる塞栓は大伏在静脈弁不全に対して有効である可能性がある。我々は、症状を有する大伏在静脈弁不全に対する治療におけるシアノアクリレート塞栓術(CAE)とラジオ波焼灼術(RFA)の無作為比較試験結果をここに報告する。

方法

有症状の大伏在静脈弁不全患者222名を無作為にCAE(108名)もしくはRF(114名)に割り当てた。退院後、被験者は3日目、1か月後、3か月後に受診した。研究の一つ目のエンドポイントは3か月後の対象血管の閉塞であり、その評価は独立したエコー研究室の血管エコーにより実施された。統計学的調査により非劣性を示せるか注目した。3か月後の受診前には付加的な治療は行われなかった。また、入手できなかった3か月目のデータは様々な手法により復元された。二つ目のエンドポイントは、患者の報告による治療中の痛みと3日目の皮下出血の程度であった。付加的評価に一般的および疾患特異的な生活の質の改善と有害事象の発症率を含めた。

結果

全ての被験者は割り当てられた治療を受けた。入手できないデータについては予測法を用いたが、3か月目の閉塞率はCAEで99%、RFAで96%だった。全ての一つ目のエンドポイント解析ではCAEの非劣性が示され中には優位性を示すものもあった。施術中の痛みは軽度であり、その程度はCAE、RFAで同等だった。3日目の時点で皮下出血の程度はRFAに比べてCAEは小さかった。他の有害事象は両群間で同等であり一般的には軽度で許容内だった。

結論

大伏在静脈弁不全の治療後3か月目においてCAEはRFAに比べて非劣性であることが示された。両方とも安全な治療法であることが示された。CAEはTLA麻酔を必要とせず、治療後の皮下出血の程度がより小さかった。

ジャーナル

J Vasc Surg.2015 Apr;61(4 ):985-94
Randomized trial comparing cyanoacrylate embolization and radiofrequency ablation for incompetent great saphenous veins (VeClose).