伏在静脈の血管内レーザー焼灼術後に起こる深部静脈血栓症を予測するための臨床学的危険因子
目的
伏在静脈の血管内レーザー焼灼術は、症候性下肢静脈瘤を治療するための選択肢の一つである。この治療を受けた患者のうち、多く見積もって7.7%の方が深部静脈血栓症を発症している。本研究は、伏在静脈の血管内レーザー焼灼術後に起こる深部静脈血栓症を予測するための臨床学的危険因子を確立するために行われる。
方法
血管内レーザー焼灼術受けた患者を、前向きに経過観察し、患者の臨床学的経過のデータと術後の血管超音波検査の結果を解析した。統計学的P値については、0.05未満を持って有意と判定した。
結果
2007年から2008年の間に治療を行った連続360例の患者に対し、経過観察を行った。経過観察の超音波検査において、19例で深部静脈血栓が確認された。このうち、18例では、血栓が、伏在静脈から大腿静脈にかけて、又は、伏在静脈から膝窩静脈にかけて存在しており、深部静脈に血栓が認められたのは、1例のみであった。術後の深部静脈血栓に関与する因子としては、年齢が66歳以上(P=0.007)、女性(P=0.048)、過去に表在性血栓性静脈炎の既往が有意であった。
結論
血管内レーザー焼灼術では、66歳以上の患者、女性患者、過去に表在性血栓性静脈炎の既往がある患者では、術後の深部静脈血栓に注意を要する。
ジャーナル
Phlebology.2014 Apr;29(3):150-3
Clinical risk factors to predict deep venous thrombosis post-endovenous laser ablation of saphenous veins