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大伏在静脈領域の逆流による下肢静脈瘤治療2年後の血管新生と再発について

目的

血管新生は外科的治療後の下肢静脈瘤再発の主たる原因である。この前向きコホート研究は、大伏在静脈領域の下肢静脈瘤に対する外科的治療と血管内焼灼術において再発率と血管新生の発生数を比較した。

方法

大伏在静脈領域の弁不全による一次性の下肢静脈瘤の治療を連続して受けた患者118名(女性72名 男性46名 平均年齢48歳〈32-68歳〉)、129 肢について、外科的治療(60肢)および血管内焼灼術(69肢)の後平均24か月(18-30か月)追跡調査し、下肢静脈瘤の再発、超音波検査により確認された血管新生、および患者満足度(視覚的評価スケール)について調査した。

結果

治療後2年目での再発率は以下の通り。外科的治療群 4/60(6.6%;大腿中部不全穿通枝2例、血管新生を伴う残存大伏在静脈2例)、血管内焼灼術群 5/69(7%;大伏在静脈再開通3例〈全例照射エネルギーが50J/cm未満〉、大腿中部不全穿通枝1例、新たな前下行枝の弁不全1例)p=0.631 。血管新生は、外科的治療群で11/60(18%)、血管内焼灼術群で1/69(1%)認められた p=0.001。患者満足度はそれぞれ、90%、88%だった p=0.37。

結論

治療2年後の下肢静脈瘤の再発率は、外科的治療と血管内焼灼術とで同等だったが、将来の再発の予兆となる血管新生は、血管内焼灼術の方が少なかった。さらに、血管内焼灼術後の再開通率や再発を減らすためには70J/cm以上のレーザー照射エネルギーを送達することが現在推奨される。

ジャーナル

Eur J Vasc Surg 2009 Aug;38(2):203-7