PLDDの効果は担当医の手技・治療戦略の習熟度によって差が出るdoctor-blog
椎間板ヘルニアレーザー治療(PLDD)は、体に侵襲の少ない極めて安全な治療法です。
しかし、その治療を担当する医師が治療手技に優れ、かつ治療戦略に精通していなければ、十分な治療効果が得られない治療法でもあります。
一般的な手術と比べて、PLDDは時間や手間がかからず(治療時間15~30分、在院時間1~2時間、局所麻酔と点滴麻酔のみ)、患者さんの負担が少なく(切開、入院不要)、合併症もほとんどない治療です。そのため、症状の原因や治療後の予後についてあまり検討せずに治療に向かう担当医がしばしば見受けられます。
しかし、椎間板ヘルニアに対する治療は、ガイドラインが確立されておらず標準治療も含めてまだまだ検討の余地を残しています。その中にあってPLDDも治療方針、治療技術、治療機器など様々な点で引き続き改良が期待される発展途上の治療法と言えます。
実際に、現時点での常識では治療適応外と判断されたものであっても、穿刺法や注射法を工夫してPLDDを実施してみると、予想以上の効果が得られたということは少なくありません。しかし、病態から見て治療効果が望めないと思われる患者さんには治療をお勧めしないのが原則です。また、医療判断は医師の経験や能力に大きく左右されます。PLDDに限らず椎間板ヘルニアの治療適応に関しては医師によって見解が大きく異なることもあります。
そのような事情から、PLDDは担当する医師の手技・治療戦略によっては治るべきものが治らなかったり、治りにくいものが治ったりすることがあり得ます。もちろん、ヘルニア以外に、骨のずれや変形・脊柱管の狭小化など複雑な病態が絡んでいる時は治療自体が非常に難しい場合がありますが、PLDDは担当医の力量が特に大きく治療成績に関わる治療法であると言えるでしょう。
どの診療においてもそうですが、担当医の治療実績や患者さんの治療満足度などを確認することと、担当医師の説明を良く聞くだけでなく、ご自身が納得できるまで質問することが効果的な治療を受ける上で極めて大切になります。