椎間板(腰椎・頸椎)レーザー治療(PLDD)の魅力doctor-blog

2000年に北青山Dクリニックを開設した当時に、腰椎椎間板ヘルニアのレーザー治療(PLDD)は既に存在していました。長年の腰痛に悩んで当院を訪れた患者さんに、その治療の有効性について問われたことがありますが、明快な回答ができませんでした。治療に関する正確な情報が乏しく、治療費が非常に高い、死亡例がある、などマイナスの情報が先行して耳に入っていたからです。Dクリニックは、当時この治療に対するリサーチや導入を見送っていました。

一方で、国内に殆ど普及していなかった「日帰り手術」をコンセプトに、北青山Dクリニックは、下肢静脈瘤、鼠径ヘルニア、早期乳がん、早期胃がん、早期大腸がん、皮下腫瘍などの日帰り治療を手掛けてきました。そして、最先端レーザーによる治療も複数の疾患に対して応用するようになり、2006年に改めて椎間板ヘルニアのレーザー治療について情報を収集する機会を得ました。レーザーや医療ファイバーなどの機器が進化したこともあり、適用と治療法を適切に採択すれば、レーザー治療(PLDD)により椎間板ヘルニアに対して安全で有効な治療効果を得られることがその時わかったのです。

早速、腰椎、頸椎の椎間板ヘルニアの病態や解剖に詳しく、MRI画像の診断能力が高い脳神経外科専門医の泉医師による椎間板ヘルニアレーザー治療を開始しました。一般的には全身麻酔で術後数週間に及ぶ入院を要する椎間板ヘルニアの治療が、局所麻酔による日帰り手術(手術所要時間15分程度)で施行できることは極めて画期的なことであり、適切な治療法が提供されずに痛みやしびれに悩む患者さん達にとっては大きな福音でした。

しかし、椎間板ヘルニアの病態によっては改善効果が乏しい場合もあり、治療適用の判断が極めて重要であることを認識しました。PLDDを手掛ける医療機関は複数存在しますが、Dクリニックは治療数よりも治療成績・治療満足度に照準を当てて真剣にPLDDに取り組むことをモットーにしています。

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そのためには、椎間板ヘルニアであればヘルニアのサイズや形態がどのようなものであっても無鉄砲にPLDDを実施するのではなく、適用を見極めて慎重に治療を実施する必要があります。そこでは、担当医師の高い診断能力(MRI画像の読影力)、柔軟な思考、そして総合的な判断力が求められます。Dクリニックでは、脳神経外科専門医の泉医師により、丁寧かつ高精度なPLDD治療の提供をテーマに、2007年以来一貫した施術を行っています。

適応を厳選してPLDD治療を実施する中で、高齢な方で複数の腰椎疾患(脊柱管狭窄症、
椎体すべり症、変形性腰椎症など)を椎間板ヘルニアに併発している方が非常に多いことに気づかされます。本来は椎間板ヘルニア以外の疾患により症状が作られていると思われるような複雑な病態の方に対してPLDDによる椎間板ヘルニアの治療を施すことにより、長年患っていた症状が改善することを経験することがしばしばあります。明らかにPLDDの効果が乏しいと思われる巨大なヘルニアを除けば、有効な治療が見いだせずに長年苦しんでいる方にとっては、治療負担やリスクの極めて小さなPLDDをまず試みる意味はあるかもしれません。