下肢静脈瘤を治療して冷え症が治ったdoctor-blog

これからの寒い時期、特に冷え症に悩む方にとってはつらい日々になると思います。

最近、診察した患者さんの中に、もともとひどい冷え症だったのが静脈瘤の治療をしたら治ったと大変喜ばれた方がおられたので、ご紹介します。

この方は68歳の女性で、足のむくみ、かゆみ、重苦しさに悩み、今年の梅雨時に山梨から受診されました。 診察したところ典型的な右下肢の大伏在静脈瘤があり、血管内焼灼術(高周波/ラジオ波)を実施しました。

治療後、まもなくお悩みの症状は改善したとのことでしたが、手術後半年の経過観察の際に、 「毎年この時期には体中にホッカイロを貼っていたのに、今年は冷えを全く感じないのでホッカイロを貼らなくて済んでいる。体が芯から温まるようになった。本当に嬉しい」とおっしゃられました。

下肢静脈瘤の症状の一つに「冷え」は確かにありますが、体全体に感じる冷え症は下肢静脈瘤との因果関係は不明です。

この方は、明らかに治療後に体質が変わったように冷え症が治ったとのことなので、下肢静脈瘤の治療が全身の循環改善に役立った可能性があります。 なかなか治らない冷え症の原因の一つとして下肢静脈瘤も候補に挙がる可能性があります。

今までも、下肢静脈瘤の治療後、頭痛が治った、肩こりが治った、動悸がしなくなった、腕のしびれが取れた、など、下肢静脈瘤とは無関係と考えられている諸症状が改善する例をしばしば経験してきました。

下肢静脈瘤の治療で循環が良くなることによって解消する症状に関しては今後も注視していきたいと考えています。

※治療の特徴・リスク・費用はこちら

 初診時
 手術6か月後

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◆治療のリスク・費用◆
60代女性、血管内照射タイプのレーザーによる治療

(特徴・リスク)
CEAP重症度分類は平均3程度です。
長年治療を受けるか悩んでいるうちに重症化した例が多いです。
静脈瘤が完全に消えるのに、一般的には6か月~1年以上を要します。

(治療費用)
保険適用レーザー
総額で25,000円(1割負担)~80,000円(3割負担)/片脚。

自費レーザーなど
総額が250,000~350,000円(税別)/片脚。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会