※低侵襲とは…手術による体への負担やダメージが小さいこと
下肢静脈瘤の根治的治療が、30分前後の手術時間で実施可能になり、
深部静脈血栓症など手術後の合併症の発症リスクは大きく減少しました。
このことは、下肢静脈瘤治療を専門としている医師には常識ですが、一般にはまだよく知られていないようです。そのため、専門以外の先生に相談すると、昔ながらのイメージ(1-2週間の入院が必要・合併症のリスクがある)でとらえられ、治療は必要ないと言われた、ということも耳にします。
西暦2000年頃までのストリッピング手術と呼ばれる血管を引き抜いてしまう方法は、全身麻酔や腰椎麻酔で行われ、術後1週間以上の入院が余儀なくされていました。私も大学病院で研修医をしている頃、下肢静脈瘤の手術後は歩行器を使っての歩行練習から始まって10日間ほどの入院管理を行うのが一般的だったことを記憶しています。治療負担が大きいということから、軽症の間は生活指導や弾性ストッキングによる圧迫療法を提案し、重症化した場合に手術的治療を勧める、ということが専門医の間でも一般的な対応でした。
しかし、今や下肢静脈瘤の治療は、日常生活を犠牲にすることなく短時間で実施できるようになりました。それにもかかわらず、症状に悩んでいる患者さんが治療を諦めてしまうというのです。
下肢静脈瘤は、直接命に関わる疾患ではないため、一般的には緊急を要するものではありません。しかし放置して治るものではなく、確実に進行していきます。そして、重症化すると治療に時間を要したり、完全に治らなかったりすることもあります。直接命に関わることはないとはいえ、肺梗塞の原因となる深部静脈血栓症の発症と関連しているという報告もあり、決して軽視できません。また、罹患人口が多いこの疾患は、社会の労働生産性にも悪影響を及ぼしているという研究もあります。
負担なく根治的治療が受けられるようになった現在、下肢静脈瘤に悩まれる方は早期に治療をすることをお勧めします。受診する科に迷われるかもしれませんが、ぜひ下肢静脈瘤の専門医を受診ください。
北青山Dクリニックは、西暦2000年、国内でいち早く本当の意味での日帰り(※※在院時間が24時間以内であれば日帰り手術と定義されているため、実際は1泊して翌朝退院でも日帰りと呼ばれていた)下肢静脈瘤治療を開始し、その後も高周波(ラジオ波)や波長の長いレーザーといった新機種・新治療を最適なタイミングで導入してきました。
下肢静脈瘤の手術、入院後に深部静脈血栓症から肺梗塞を発症したという報告を目にしたことがありましたが、当院では3万例近くに及ぶ治療実績の中で重篤な合併症や入院が必要になったケースは一例もありません。
遠方から受診される方や忙しくて時間のない方には初診時に手術を実施する体制も整えています。
今や、下肢静脈瘤の根治的治療は、
手術時間は片脚10分前後で済み、治療後まもなく帰宅でき、日常生活に復帰できる、という2000年前後には考えられない状況になっているのです。
下肢静脈瘤に悩まれる方はお気軽にご相談ください。