術後長期経過例比較  外来ストリッピング手術 vs  レーザー治療doctor-blog

外来日帰り手術の術後長期経過例に関する国内外の報告は目にしたことがないので、
下肢静脈瘤の外来日帰り手術を考案した立場として、
このたび、Dクリニックで治療を受けられ手術後7~9年経過した患者さんにご協力いただいて、術後長期経過例の方々の現状確認をさせていただきました。

2005年から2007年にDクリニックで治療を受けていただいた700名の方を対象に、
郵送でアンケートのご協力と、診察/検査のための受診をしていただくことをお願いしました。
治療後10年近く経っているため、
ご連絡先の不明な方が数多くいらっしゃった中で、
120名前後の方が協力してくださいました。
ストリッピング手術を受けた方とレーザー治療を受けた方を比較する形で検討しましたが、
両者に年齢や静脈瘤の程度に著しい違いはなく、ほぼ同等の集団の比較になりました。
患者さんの生活の質の評価には、
国際的評価法の一つであるAberdeen Varicose Veins Questionnaire (AVVQ)スコアを、
再発などの症状経過の確認には血管パルスドップラー検査を用いました。


結果は、レーザー治療が、生活の質の改善の点でも、再発率の点でも、
従来の根治的治療であるストリッピング手術より優れていました。

レーザー治療の長期経過例の報告が少しずつ増えてくる中で、
今回の我々の調査で、非常に貴重な結果が得られたと考えられますので、
学術的な分野でも公表していく必要があると考えています。
今後も適用のある方には積極的に体に負担の少ない血管内治療を提供していく所存です。
宜しくお願いします。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会