北青山Dクリニックは、治療満足度に関するアンケート調査を定期的に実施しています。doctor-blog

北青山Dクリニックは、治療満足度に関するアンケート調査を定期的に実施しています。
当院は、国内で最初に下肢静脈瘤の日帰り根治手術を考案し、その後、国内でいち早くレーザー治療にも着手して以来、定期的にアンケート調査を実施し、最善の治療法の考案と、最良のレーザー機器の選択に心掛けております。
本年度も大規模な匿名のアンケートを実施しました。返信はがきで900名の方にアンケートを送付したところ、その約半分の方から回答を賜り、全体の50%の方が大変満足、41%の方がやや満足と、91%の方から満足の声を頂きました。
一方で、満足度に関する回答のなかった方もいらっしゃいましたが、8%の方が治療に不満であったと回答されました。不満の理由として以下に挙げる内容が目立ちました。

1. 思った以上に見た目が改善しない。
2. 一時良くなったが再発した。
3. 痛み、痺れが残る。痒みが消えない。色素沈着が消えない。
4. 気軽に考えていたが思った以上に治療経過がつらかった。
5. かなり待たされた。忙しい中でも丁寧に対応して欲しい。
6. 治療費が高かった。

治療については、最善を尽くしておりますが、全ての皆さまの期待に応えることは非常に難しいことであると痛感しております。不十分な部分もあるかと思いますが、この紙面を借りて、上記のご不満内容について解説いたします。

1. 治療を受けられる方の症状は様々ですが、殆どの方が見た目の改善を期待されます。軽度の下肢静脈瘤の方は、短期間で元通りに回復されますが、逆流量が多くて、血管の拡張が大きい方、細かい静脈瘤を併発されている方は、回復にかなりの時間を要したり、完全には病的血管が消失しないこともあります。ただし、治療により、循環動態はほぼ正常に戻っていると考えられますので、なんらかの追加治療を行うことにより、肉眼的改善が得られる可能性はあります。治療に反応しづらいタイプの静脈瘤が残ることもありますが、ご希望に応じて最善を尽くしたいと考えています。

2. レーザー治療をした伏在静脈が完全に再発することは極めてまれ(5000例中1、2例)ですが、末端の静脈がなかなか萎縮しなかったり、一旦萎縮したように見えたのに血管の癒着が不十分でまた膨らんできたり、術前には壊れていなかった末梢血管が、術後新たに壊れてしまったり、など、あたかも手術を契機に新たに静脈瘤が発生したように感じる場合があります。確かに、他の伏在静脈に静脈瘤が再発する可能性が数%はあり、その時は新たに壊れた別の伏在静脈に再レーザーが必要になることもありますが、一般的には硬化療法や対外照射タイプのレーザー照射などの簡単な外来治療を追加する事により肉眼的症状の改善が期待できます。静脈瘤は個人差が大きく複雑な場合があり、回復に数年の時間を要したり、回復経過が単純に進まないこともあります。治療後相応に時間が経っていても気になる症状をお持ちの場合はお気軽にお問い合わせ頂ければと存じます。

3. 確かに、術後に生じた偶発症状の回復に時間がかかることはあります。一方で、気にされている症状が、治療や下肢静脈瘤に起因しない場合も相当にあります。その場合は原因となる病態を鑑別しなければいけません。お悩みの症状が絶対に消失することをお約束はできませんが、現時点での医療技術の粋を尽くして対応させていただきます。

4. これはいつも難しいと痛感していることですが、こちら医療従事者の常識と患者さんの感覚とにズレが生じることが多々あります。注射の痛みが想像以上につらかった、術中は意識があると言われていたのに眠らされてしまって何をされたか覚えていない、など、医療サイドにとっては当たり前のことや、痛みを感じさせないように工夫をしたことが、理解されずに不満を生むことがあります。コミュニケーションの難しさと重要性を痛感しております。

5. 保険レーザーの選択肢があり、かつ他に下肢静脈瘤のレーザー治療を行う医療機関も複数ある中で、当院の最先端レーザー治療を選択していただいた方々に対して質の高い医療サービスを提供できるように、合理的かつ丁寧な対応を心掛けていきたいと考えています。

今まで、4回の大規模なアンケート調査を実施し、約3000名の方にアンケートを配布し、1500名前後の方から回答を頂きました。全体としての満足度は90%以上になりますが、後さらなる向上を目指して努力していく所存です。
アンケートに快くお答え頂いた方々にこの場を借りてお礼を申し上げます。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会