下肢静脈瘤は命にかかわる疾患ですか?doctor-blog

今回よくあるご質問をご紹介します。
最近就寝時に朝方毎晩つるようになり、心配です。
血圧も高く降圧剤を服用しています。下肢静脈瘤で命にかかわることはありますか?

◆回答◆
基本的に下肢静脈瘤が命に関わることはありませんが、深部静脈血栓症を併発していると時に命取りになることがあります。
深部静脈血栓症は、脚の深い静脈(通常静脈瘤ができるのは深部ではなく表在静脈)に血栓が生じることにより起こる症状です。
いわゆるエコノミークラス症候群ともよばれ、狭い空間に長時間じっと動かずにいると発生しやすい症候です。
脱水により血液が濃く粘りが強くなると、より血栓ができやすいこともわかっています。
この血栓が何かの拍子に肺に飛ぶと肺梗塞を起こす可能性があり、重度の肺梗塞は死に至る場合があります。

長時間のフライトなど血栓症が発生しやすい環境では、脱水にならないよう十分水分を摂取し、血液が脚に溜まらないよう脚の筋肉を時々動かすなど、血栓をつくらない工夫をしたほうがいいでしょう。

下肢静脈瘤と深部静脈血栓症は、時に併発していることがあるので注意が必要です。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会