先日、近隣の医師の方々へ、下肢静脈瘤の患者さんの件で、以下のようなお手紙を出しました。
その後まもなく、何人かの先生方からお問い合わせがありました。
患者さんも先生方も対応に苦慮されているケースが予想以上に多いかもしれません。
謹啓
先生におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
この度は、突然のお便りの失礼をお詫び申し上げます。
小生、2000年10月に渋谷区神宮前に日帰り手術を中心に診療を行う北青山Dクリニックを開設いたしました。
以来、多くの下肢静脈瘤の患者さんたちが、予想以上に深刻な悩みを抱えて治療を受けにいらっしゃっております。患者さんたちが口々にすることは、
「治したいのだけれども、病院に相談しても命に関わらない疾患なので様子を見ましょう、と言われる。」
「まだ軽いので弾性ストッキングをはくように言われたが、ストッキングは非常にわずらわしいし、確実に症状が進んできた。」
「しっかりと治療をしてくれる医療機関がどこなのかわからなかった。」
「手術治療には1週間入院が必要と言われたが、1週間も休んでまで、治療に踏み込めない。」
など共通することが殆どです。
下肢静脈瘤は良性疾患ですが、確実に症状は進行し、
その見た目の気持ち悪さからも患者さん達を心理的に非常に苦しませる疾患です。
他にも足のだるさやかゆみ、就眠中のこむら返り、血管痛など日常生活を損ねる症状に悩み続ける方々が多くいらっしゃいます。
そして、深刻に悩んでいるにも関わらず、
どこに相談したらよいのかわからない、入院負担が大きい、相談しても取り合ってもらえない
などの理由で、やむを得ず治療をせずに我慢しているケースが、しばしば見受けられます。
開業以来6年間、静脈麻酔と局所麻酔を駆使して、
本来入院治療が必要とされてきた下肢静脈瘤の根治手術(ストリッピング手術)を、
全例日帰り(在院時間約4時間)で行ってきました。
1000例に及ぶ下肢静脈瘤の日帰り手術を経験させていただきましたが、
日帰り手術後、入院を要したり、重篤な合併症を残したケースは経験しておりません。
更に、米国で広く普及している血管内レーザーの中でも合併症が劇的に少なくなった最新型の血管内ロングパルスYAGレーザー治療を、ここ1年間積極的に取り入れ、日帰り手術の質をさらに高めております。
この血管内レーザー治療ですと、1時間ほどの手術後すぐ帰宅でき、
頻回に通院する必要もなく、速やかに日常生活に復帰できます。
この1年で100例ほどこのレーザー手術を経験しましたが、
治療を受けていただいた方々の満足度は非常に高いものになっております。
先生が、下肢静脈瘤の患者さんから相談を受けて、
諸処の理由から治療を躊躇されているケースがもしおありでしたら、
是非お声を掛けていただければと思い、お忙しいところ誠に恐縮ではありますが、
御連絡させて頂いた次第でございます。
突然お声を掛けさせていただいた失礼をお詫びすると共に、先生の今後の益々の発展を心より祈念致します。
宜しくお願い申し上げます。
敬具
平成18年5月1日 北青山Dクリニック 院長 阿保義久(あぼよしひさ)