片頭痛・肩こり外来

片頭痛・肩こりの原因

頭痛・肩こり

頭痛・肩こりは、日本人の30%以上の人が抱える「現代病」のひとつです。 厚生労働省による国民生活基礎調査 (2022年度)では、腰痛と並び最も 有訴者数の多い症状でした。

肩こりは項頸部から僧帽筋周囲の筋肉群に感じる、詰まったような、 こわばった感じや不快感・こり感・ 重苦しさや痛みにいたる症候の 総称です。 ストレス状態の持続や長時間同じ姿勢でいた場合(パソコンの前にすわる仕事や運転など)に、首から肩にかけての筋肉(僧帽筋、頭・頚板状筋、頭半棘筋、肩甲挙筋)が無意識の過緊張を起こして起こすために生じるといわれています。肩こりの強い方では、これがさらに頭部へと進展し、緊張性頭痛の原因となっていることもしばしばです。

肩周辺の筋肉

肩こりの原因の一つとして「筋膜」が硬く癒着し、可動制限が持続することにあることが挙げられます。こうした筋膜の状態が引き起こす痛みなどの病気を「筋膜性疼痛症候群(Myofascial PainSyndrome: MPS;筋痛症)」と呼びます。また、過度な緊張や長時間の同じ姿勢、眼の酷使などによる肩や首周辺の筋肉の疲労や血行不良も肩凝り「緊張型頭痛」の原因になります。
頭痛・肩こりについては、その80%以上で、筋肉の持続性の緊張状態が症状につながっており、通常は鎮痛剤や筋肉の緊張を和らげる薬が有効な場合もしばしば見られます。また、頭頚部へのマッサージや患部を温めるなど、筋肉をほぐし、血流を改善することも有効です。ただ、このような従来の薬物療法やマッサージなどの治療では、実際は効果が持続せず、お困りの方も多いのが実情です。

首をあたためるイラスト

Dクリニックの片頭痛・肩こり外来

頑固な肩こりに対する今までの治療は、消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、抗不安剤の内服や、トリガーポイント注射と呼ばれる痛みを感じるポイントへ麻酔剤を注射することが主たるものでしたが、これらの治療で改善しないケースがしばしば見受けられます。当院では、こうした難治性の肩凝りに対してそれぞれの症状に応じて先端医療としてボツリヌス・トキシン(ボトックス)注射や、筋膜リリース注射を提供しています。

まずはカウンセリングで、現在までの内服治療の再評価を行います。内服治療で、問題なく改善が認められる場合には、患者様と御相談の上、しばらく経過をみることもあります。現在までの治療で、痛みに対する効果が不十分であったり、薬の副作用でお困りの方に治療をお勧めします。

ボトックス治療

ボトックス療法とは

神経と筋肉の伝達を押さえる作用がある物質を注射し筋肉の働きを弱めることで、筋肉の正常な機能を保ったまま異常な過緊張を取り除く有効な治療法です。この治療法は現在までに、難治性の顔面痙攣や痙性斜頚などの治療に施行され、世界中に広く普及しておりますので、安全で、安心して施術を受けていただくことができます。頭痛や肩こりで、過緊張している筋肉を和らげる効果により、痛みを軽度、緩和する作用あります。緊張型頭痛を伴う肩凝りにはボトックス注射がしばしば有効です。

当院で使用しているボトックス薬剤

当院では、長く臨床の場において利用され、安全性が認められた厚生労働省許認可の高品質ボツリヌス治療薬(アラガン社製・ボトックスビスタ®)を使用して施術します。

アラガン社製・ボトックスビスタ®

治療の流れ/ボトックス治療

1. カウンセリング、現在までの内服治療の再評価
現在までの治療の再評価を行い、痛みに対する効果が不十分であったり、薬の副作用でお困りの方に治療をお勧めします。
2. 治療の実施
治療の効果や副作用の可能性について説明した上で、頭痛や肩こりの原因となっている筋群にボトックスの注射を行います。 治療後はすぐ帰宅できます。 なお、治療から効果が出るまでには4日から1週間程度かかります。
3. 経過治療
ボトックスの効果は3~4ヶ月持続します。効果源弱により症状が再燃した場合、希望される方にはボトックスによる反復治療を実施します。

費用/ボトックス治療

¥55,000(税込)施術日は、土曜日の15:00~18:00です。
※この治療は保険適応にはなりません。

副作用に関する事項

・注射部位の内出血、軽度疼痛などがある場合があります。
・体質によっては、繰り返し施術を受けているうちにBOTOXに耐性ができて、効かなくなってしまう場合があります。


筋膜リリース注射(ハイドロリリース)

筋膜リリース注射とは

筋膜リリースは、筋肉とそれが癒着している筋膜の間に生理 食塩水を注入してその癒着をはがす(リリースする)治療です。 筋膜が糊着している箇所=トリガーポイントに、エコー(超音波診断装置)を用いて診断 しながら、生理食塩水を注射することで筋膜を剥がして伸ばします。生理食塩水は体液とほぼ同成分なので筋膜がリリースされた後は問題なく体に吸収され、安全性の高い治療といえます。 また、肩こりの消失や関節の可動域の改善が治療後早期から感じられることも特徴の一つです。

筋膜リリース注射イメージ

治療の流れ/筋膜リリース注射

1. カウンセリング、現在までの内服治療の再評価
現在までの治療の再評価を行い、痛みに対する効果が不十分であったり、薬の副作用でお困りの方に治療をお勧めします。
2. 治療の実施
座る、もしくはベッドに横になり、凝りや痛みの強い所(トリガーポイント)にエコーを当てます。肥厚した筋膜を確認しながら、生理食塩水を注入し筋膜をリリースします。所要時間は1か所について数分で、多くの方は治療後まもなく症状の改善が自覚できます。
3. 経過治療
効果は数日~3週間程度持続します。多くの方で2週間以上の効果が期待できますが、個人差があります。効果を持続させるためには反復治療を実施します。

費用/ハイドロリリース

リリース1か所あたり 11,000円(税込)
※この治療は保険適応にはなりません。

副作用に関する事項

・注射部位の内出血、軽度疼痛などがある場合があります。
・極めてまれに、注射針が予想以上に深くに到達し、肺を穿刺してしまい、気胸(肺の虚脱)を起こすことがあります。エコーガイド下での穿刺なので、通常はこうしたことは起こりませんが、注射後に呼吸が苦しい場合には、ご相談ください。