症例・治療事例CASE

再生医療

【再生医療】症例(2)70代女性 慢性疼痛(両膝関節痛)

2021.09.11

ご相談内容 両膝が痛くて、階段の上り下りができない。数年前から他院で治療しているが、症状は良くならず、悪化している。
治療方針 両膝痛で階段の昇降も困難ということで、慢性疼痛に対する再生医療の提供を提案しました。
治療経過 ①201/7/26 脂肪採取脂肪組織採取/血清用採血
⇒即日、院内細胞培養室にて幹細胞培養。24日後に第1回目の投与となりました。



②2019/8/17 初回投与

ADMSC(自己脂肪由来間葉系幹細胞)投与初回 

総投与数 / 1億2900万個

投与法:経静脈的(点滴)および 局所注射



③2019/9/9 経過観察

「まだ痛みはあるが、坂道や階段の移動、走ることが問題なくなった。2回目の投与を希望している。」



④2019/10/11 2回目投与 

ADMSC(自己脂肪由来間葉系幹細胞)投与 

総投与数 / 1億5200万個

投与法:経静脈的(点滴)および 局所注射

「階段を降りる際の痛みはなくなった。疼痛は50%くらい改善したように思う。」



⑤2019/11/15 3回目投与

ADMSC(自己脂肪由来間葉系幹細胞)投与 

総投与数 / 1億4200万個

投与法:経静脈的(点滴)および 局所注射

「階段を降りる際の痛みはなくなった。疼痛は80%くらい改善したように思う。」



⑥2019/12/9 経過観察時、疼痛は80%ほど軽減し、階段昇降ストレスなく可能になったとのことでした。

「現在症状は80%くらい改善している。たまに痛いときはある。
再生医療を3回実施した後、非常に良くなった。今は小走りもできる。ゴルフの飛距離も伸びた。投与当日には腫れたが、翌日には治まった。再生医療をして本当に良かった。」


【簡易疼痛評価】

疼痛を管理する評価シートを記入していただいたところ、「日常生活の全般的活動、歩行能力、通常の仕事(家事含む)、睡眠、気分・情緒、対人関係、生活を楽しむこと」など全項目が支障ないと回答。痛みに対する破局的思考の程度、不安・抑うつ評価も0でした。疼痛生活障害評価では、「掃除機掛けや庭仕事などの家の雑用」には少々困難を感じるものの、「ゆっくり走る、腰を曲げて床のものを拾う」「買い物に行く」「階段を上る・降りる」「友人を訪れる」「バスや電車に乗る」「レストランや喫茶店に行く」「重いものを持って運ぶ」「料理をする、食器洗いをする」「腰を曲げたり伸ばしたりする」「手を伸ばして棚の上から重いものを取る」「体を洗ったり、拭いたりする」「便座に座る、便座から立ち上がる」「ベッドに入る、ベッドから出る」「車のドアを開けたり閉めたりする」「じっと立っている」「平らな地面の上をあるく」「趣味の活動を行う」「先発する」などの19項目に全く困難(苦痛)はないと回答されています。




⑦2020/1/15 経過観察時、「膝の状態はだいぶ良いが、関節面ではなく内側の筋あたりが痛くなることがある。必要があれば4回目も希望する。」とのこと。膝関節面だけでなく、周囲の靱帯にも注射可能であるとお伝えしました。



⑧2020/2/12 「痛みが出ることもある。暖めると楽になる。筋力をつけるようにしたい。」経過を見て必要があればと、追加治療を希望されています。



治療状況 それまで悪化していた両膝疼痛が、初回投与してから2ヶ月経過で、50%ほど痛みが軽減。2回目を投与して1ヶ月後には80%ほど痛みが軽減し、今は階段の昇降もストレスなく可能になっています。走る、ゴルフなどのスポーツも可能になり、精神的にも明るくなったとのことです。
治療期間 7月~11月の5か月間で合計3回の投与。
費用 治療総額:2回投与で150万円(税別)3回目投与は1回50万円(税別)
治療のリスク ・採血時:穿刺部疼痛、皮下出血、神経障害
・脂肪採取時:疼痛、感染、皮下出血、硬結、色素沈着
・培養時:培養遅延、汚染
・投与時:注射部痛、灼熱感、発熱、悪心、呼吸症状(血栓症)
・治療後:症状回復遅延、治療効果不足
※但し、適切に治療を遂行すれば重篤な有害事象が生じるリスクは極めて低いと言えます。

同じ治療科目の他の症例を見る