症例・治療事例CASE
がん遺伝子治療膵臓がん
【がん遺伝子治療】症例(7)40代男性 膵臓がん(再発予防)
2022.10.03
ご相談内容 | 2020年9月 飲酒機会が多く、ストレスフルな生活を送っていることから膵臓がんの発症が不安で当院の膵臓がんドックを受診。EUS(超音波内視鏡)で膵頭体部移行部に径3㎝大のIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍:前がん病変)指摘された。 内部に結節を認めたため膵臓がんの混在を疑って、 当院紹介の大学病院にて2020年10月7日手術(膵頭十二指腸切除術)施行。 膵管内オンコサイト型乳頭状腺癌の診断 /完全切除 /リンパ節含め周囲に転移無し、手術後の病理検査で根治手術と評価。 再発予防を目的に、大学病院での補助化学療法(TS-1療法)と並行して、「がん遺伝子治療」を希望。 |
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治療方針 | 補助化学療法(TS-1療法)と並行し、遺伝子治療を実施する。 |
治療経過 | 大学病院での補助化学療法(TS-1療法)を半年間、実施。 がん遺伝子治療開始、高濃度ビタミンC点滴を併用。 3か月毎のMRCPとEUS(超音波内視鏡)検査、リキッドバイオプシーで膵臓がんのモニタリングを行う。 遺伝子製剤5Uを月1回のペースで4回、点滴投与。 大学病院での補助化学療法(TS-1療法)は、食欲不振、倦怠感、 免疫低下の副作用などがあることから半年で予定通り終了。がん遺伝子治療は、副作用がほとんどないのでその後も継続。 5Uを月1回のペースで2回、点滴投与。 手術から1年経過、特に著変なし。 5Uを2か月に1回のペースで4回、点滴投与。 2022年4月まで再発予防としてのがん遺伝子治療を継続。 |
治療状況 | 再発予防を目的に、補助化学療法(S-1療法)と遺伝子治療を同時に開始。 化学療法(S-1療法)は半年で予定通り終了。がん遺伝子治療は化学療法終了後も継続し、術後2年経過の時点で再発の兆候はない。 |
治療期間 | 2020年12月~2022年4月(1年5ヶ月) |
費用 | 治療総額:計10回の治療で治療費 計3,025,000円。(税込) ※遺伝子製剤の投与量単位(U:unit)について 遺伝子治療製剤の投与ボリュームを表現する際に ・Titer: 遺伝子を運ぶウイルスベクター粒子の数または感染価 ・ベクターコピー数 などが用いられます。 投与量単位(U)は、当院で便宜上設定したもので公的な基準ではありません。 具体的には、当院で設定している1Uは1.0×10^8(10の8乗)=1億ベクターコピーに相当します。 |
治療のリスク | 大規模な二重盲検試験が実施されておらず未承認治療です。 注射部の内出血、軽度疼痛、一過性の発熱(37-38℃)など、軽微な副作用が生じる場合があります。 |