症例・治療事例CASE

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【がん遺伝子治療】症例(25) 90代女性 胃がん

2025.02.21

<遺伝子治療開始時>

<遺伝子治療開始4か月後>病巣は縮小

ご相談内容 胃がんと診断されていたが高齢(93歳)なので手術は受けたくない。
数ヶ月前に吐血。胸やけ・胃のムカムカなど症状が悪化し、なるべく体に負担のかからない治療として遺伝子治療を希望。
治療方針 点滴・内視鏡的局所注射により遺伝子治療を実施。
治療経過 2020年8月
胸やけ・胃のむかむか感顕著。
早速遺伝子治療を開始。
初回は 遺伝子製剤 5Uを 点滴にて 投与。
進行がんのEGD(上部消化管内視鏡)ではなかったが、
病理検査の結果、胃がん(高分化がん)が確認された。
1~3か月に1回の頻度で遺伝子治療の予定。

2020年9月~2021年12月
遺伝子製剤 10U/回 を 点滴・内視鏡的局所注射にて 7回投与。
1~2か月間隔で遺伝子治療実施。2回目の治療後から胸やけ症状消失。
治療前の8月の内視鏡写真と比較すると、1か月後(9月)、3か月後(11月)と、肉眼的にも赤味のある病変が縮小している。
この肉眼的な改善に呼応して、胸やけ等の不快症状が劇的に消失、食欲も旺盛。病院嫌いで当初治療に前向きではなかったが、症状の改善により自らが希望して治療に来られるようになった。



2022年11月
遺伝子製剤 10U/回を 点滴・内視鏡的局所注射にて投与。
「元気です。吐血はなく、吐き気もたまにしかない」と。

2023年5月
遺伝子製剤 10U/回を 点滴・内視鏡的局所注射にて投与。
「元気で、吐き気も前回の治療から1回もありません」と。

2024年3月~9月
遺伝子製剤 10U/回を 点滴・内視鏡的局所注射にて 5回投与。
ご家族より、元気で調子も良いのでできれば治療頻度を増やしたいとの要望あり。
投与量を15U/回に上げ、ご本人に負担の無い範囲で最低1ヶ月に1回の治療を継続する。

2024年10月~2025年1月
遺伝子製剤 15U/回を 点滴・内視鏡的局所注射にて 4回投与。
ご本人は食欲もあり「元気で体調に問題はない」と。
遺伝子治療を継続中。
治療状況 胃がんと診断されていたが高齢のため手術を回避して、体に負担のかからない遺伝子治療を選択。1~2か月間隔で遺伝子治療実施。内視鏡的に胃粘膜下に遺伝子製剤注射。2回目の治療後から内視鏡所見も腫瘍が縮小、胸やけ症状消失。フォローアップに来院している現在も胃の症状もなく元気に過ごしている。
治療期間 2020年8月~2024年12月(治療期間4年8カ月)治療継続中。
費用 治療費総額:計18回の治療で 計9,828,500円。(税込)


※遺伝子製剤の投与量単位(U:unit)について:遺伝子治療製剤の投与ボリュームを表現する際に『Titer(遺伝子を運ぶウイルスベクター粒子の数または感染価)』『ベクターコピー数』 などが用いられます。投与量単位(U)は、当院で便宜上設定したもので公的な基準ではありません。具体的には、当院で設定している1Uは1.0×10^8(10の8乗)=1億ベクターコピーに相当します。
治療のリスク 大規模な二重盲検試験が実施されておらず未承認治療です。
注射部の内出血、軽度疼痛、一過性の発熱(37℃超)など、軽微な副作用がある場合があります。

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