症例・治療事例CASE

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【がん遺伝子治療】症例(23)70代女性 胸腺がん

2025.02.13

<遺伝子治療開始6ヶ月後>2020年10月撮影

<遺伝子治療開始10か月後>2021年2月撮影

ご相談内容 胸腺がん 胸膜播種 ステージ4 進行末期がんの診断を受け、他院で2020年1月~3月化学治療。
化学療法で腫瘍は縮小し、胸水貯留も改善されたが、副作用が強く治療継続を断念。
化学治療を中断したところ腫瘍が進行したが、ご本人は化学治療の継続は耐えられない、と。
医療従事者である家族とともに、他に治療法がないかということで来院し、当院の遺伝子治療を希望。
治療方針 点滴、局所注射により遺伝子治療を実施。
治療経過 2020年3月
親族の医療関係者(医師)同席でカウンセリング。
胸腺癌 胸膜播種 ステージ4 他院で カルボプラチン パクリタキセル 投与。
化学療法後、4月のCTでは、左胸水減少、原発巣も縮小傾向があったが吐き気・下痢・脱毛などあまりにも化学療法の副作用が強すぎて追加治療を見送っていたところ、腫瘍が増大、病状が進行したため、遺伝子治療での制御を試みることになった。

2020年4月
遺伝子製剤 5Uを 点滴、局所(胸腔内)注射にて投与。

2020年6月~2022年12月 20回(約1か月に1回の間隔)
遺伝子製剤10Uを20回 点滴、局所(胸腔内)注射にて投与。
遺伝子治療を繰り返し行い、病巣が縮小。食事・排泄・睡眠も問題なし。
「体調も良く、化学治療のような副作用もないので、喜んで治療継続ができている」と。
化学治療をした医療機関には月1回の検査受診を継続中で、X線とCT検査を交互に実施しているが「化学治療の担当医から驚かれている」とご主人からコメントあり。



2022年4月
「体調が良い。2年前にはこんなに体調が改善するとは考えられなかった。引き続きお願いします」
2022年8月
「この暑い時期も問題なく過ごせている。検査受診も1か月半おきになりました」
2022年12月
「検査受診は3か月ごとになった」と。

遺伝子治療を開始後、腫瘍は縮小、3年間症状は安定し、腫瘍は完全には消失しなかったが日常生活に全く支障が無い状態が維持されたので一旦治療中断。

2023年5月「治療を再開したい」とご予約あり。
局所注射していない部位の腫瘍が増大し骨周囲に進展して激しい疼痛が発生した。そのため主たる医療機関を変更し、放射線治療など標準治療に切り替えたが、症状は進行してしまった。遺伝子治療を再開したいとのご希望。

2023年6月
遺伝子製剤10Uを 点滴、局所(胸腔内)注射にて投与。

2023年9月
遺伝子製剤10Uを 点滴、局所(胸腔内)注射にて投与。
左側服部痛はカロナール、ロキソニンで対応。
治療状況 胸腺がん 胸膜播種 ステージ4 の診断を受け、他院で化学治療を実施し治療効果を認めたが副作用が相応にあり治療継続が難しく、副作用がほとんどないがん遺伝子治療を希望された。
化学療法は断念されたので、遺伝子治療だけで制御した症例。遺伝子治療を重ねたところ、病状が縮小し、3年間副作用なく病状は安定し非常に元気に毎日を送られた。
2023年5月、検査受診の際に肝転移が指摘され、放射線治療と抗がん剤治療を実施。その後、抗がん剤治療は中止して、再び遺伝子治療のみで対応した。
治療期間 2020年4月~2023年9月(治療期間断続的に3年5か月)
費用 治療費総額:計28回の治療で 計10,609,500円。(税込)


※遺伝子製剤の投与量単位(U:unit)について:遺伝子治療製剤の投与ボリュームを表現する際に『Titer(遺伝子を運ぶウイルスベクター粒子の数または感染価)』『ベクターコピー数』 などが用いられます。投与量単位(U)は、当院で便宜上設定したもので公的な基準ではありません。具体的には、当院で設定している1Uは1.0×10^8(10の8乗)=1億ベクターコピーに相当します。
治療のリスク 大規模な二重盲検試験が実施されておらず未承認治療です。
注射部の内出血、軽度疼痛、一過性の発熱(37℃超)など、軽微な副作用がある場合があります。

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