症例・治療事例CASE

がん遺伝子治療肺がん

【がん遺伝子治療】症例(4)60代男性 肺がん

2021.11.09

治療前

治療前

治療後

治療後
ご相談内容 2020年2月 当院で人間ドックを実施。レントゲンにて右下肺野に異常陰影を認めたため、胸部CTを施行したところ、右下葉肺癌、対側を含む多発肺内転移、副腎転移疑いを指摘。医師から、抗がん剤治療、分子標的薬治療、免疫チェックポイント阻害剤による治療の可能性があると説明を受けましたが、体力・免疫力が下がらないうちに遺伝子治療のスタートを希望されました。
治療方針 化学療法を補完する立場で遺伝子治療を実施しました。
治療経過 2020年3月~7月

5U~10Uを点滴投与にて、5か月で12回投与。



2020年4月

大学病院で再検査、肺がん(リンパ節、右副腎、骨転移)の診断、大学病院で分子標的薬の投薬開始。分子標的薬の投与後、微熱、肝機能障害の副作用が疑われ一度投薬を中止、2週間後に半量から再開、
その後は副作用は縮小し、投薬を継続しながら、がん遺伝子治療を並行して行いました。



2020年6月

遺伝子治療10回投与後のCT結果では、肺がんは縮小傾向にあり、

肺がんに関係する腫瘍マーカーのCEA・シフラが正常値内に入ってきて経過良好。



2020年7月

血液検査結果も良いので、今後の状態に合わせて治療間隔を空けても良いと判断。



2020年8月~2021年9月

遺伝子治療の頻度を落とし、10Uを13カ月で13回投与。点滴投与の他、経静脈カテーテル投与も行いました。
治療状況 標準治療(分子標的薬)を補完する立場として、遺伝子治療を投薬前から開始。約3か月で10回投与後のCT検査結果ではがんは縮小傾向にあり、腫瘍マーカーも正常値内に入ってきたので、頻度を落としがん遺伝子治療を更に1年1か月間継続しました。
治療期間 2020年3月~2021年9月(約1年6か月)
費用 治療総額:計25回の治療でおおよその治療費 計 11,390,500円。(税込)

※遺伝子製剤の投与量単位(U:unit)について
遺伝子治療製剤の投与ボリュームを表現する際に
・Titer: 遺伝子を運ぶウイルスベクター粒子の数または感染価
・ベクターコピー数 
などが用いられます。
投与量単位(U)は、当院で便宜上設定したもので公的な基準ではありません。
具体的には、当院で設定している1Uは1.0×10^8(10の8乗)=1億ベクターコピーに相当します。
治療のリスク 大規模な二重盲検試験が実施されておらず未承認治療です。
注射部の内出血、軽度疼痛、一過性の発熱(37-38℃)など、軽微な副作用が生じる場合があります。

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