症例・治療事例CASE

がん遺伝子治療その他

【がん遺伝子治療】症例(22)70代男性 膵臓がん予防

2024.10.08

ご相談内容 2012年 遺伝子検査で膵臓がんと診断を受け 
他院でP53 遺伝子治療や樹状細胞療法を行ったが、CA19-9の増加傾向があり
現在半年毎にMRCP(腹部エコー検査)を受け、膵管拡張を認め慢性膵炎の診断で治療中。
当院でのマイクロRNA検査では、膵臓がんリスク中程度の診断。
膵臓がんの発生予防の目的に遺伝子治療を実施したい。
変形性腰椎症、関節周囲炎、動脈硬化症、腎不全、慢性心不全の既往症あり。
治療方針 膵臓がんの発生予防の目的に点滴により遺伝子治療を実施。
治療経過 2016年10月~2017年1月(約1か月に1回の間隔)
遺伝子製剤 5Uを5回 点滴にて投与。
「治療後は調子よく感じる」
「投与後に一時的な胸痛を自覚するようになった」とのことだったがほどなく解消。
予防的な見地からは、次回3か月後で良いと判断。
その後治療間隔を延ばして、経過を見ることとした。

2017年5月~2020年6月(ほぼ3か月に1回の間隔)
遺伝子製剤 1Uを13回 点滴にて投与。
「調子悪くない。旅行にも行ってきた。食べ過ぎると少し気になる。持病の心臓はやや不安。」
「遺伝子治療の後は食欲がある。排便問題ない。食べ過ぎると満腹感、腹痛がある。」

2020年9月
遺伝子製剤2Uを点滴にて投与。
遺伝子治療は3か月に1回の頻度を目指す。今回より漸増、増量を図る。
2020年12月
遺伝子製剤3Uを点滴にて投与。
2021年3月
遺伝子製剤4Uを点滴にて投与。

2021年6月~2024年6月
遺伝子製剤5Uを13回 点滴にて投与。

引き続き遺伝子治療を継続中。
治療状況 7年以上にわたって34回の遺伝子治療を継続中。症状はすこぶる安定している。
遺伝子治療と並行して、キレーション、高濃度ビタミンC点滴も継続している。

・2018年 PLDD経皮レーザー椎間板減圧術
・2022年 心不全に対する再生医療(幹細胞治療) いずれも当院で実施。
治療期間 2016年10月~2024年6月(7年8か月)継続中
費用 治療総額:計34回の治療で治療費 計 8,371,000円。(税込)

※遺伝子製剤の投与量単位(U:unit)について
遺伝子治療製剤の投与ボリュームを表現する際に
・Titer: 遺伝子を運ぶウイルスベクター粒子の数または感染価
・ベクターコピー数 
などが用いられます。
投与量単位(U)は、当院で便宜上設定したもので公的な基準ではありません。
具体的には、当院で設定している1Uは1.0×10^8(10の8乗)=1億ベクターコピーに相当します。
治療のリスク 大規模な二重盲検試験が実施されておらず未承認治療です。
注射部の内出血、軽度疼痛、一過性の発熱(37-38℃)など、軽微な副作用がある場合があります。

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