症例・治療事例CASE

がん遺伝子治療乳がん

【がん遺伝子治療】症例(5)30代女性 乳がん(肺転移、腋窩リンパ節転移再発)

2021.11.11

ご相談内容 他院で乳がん手術後、肺転移。ホルモン療法で改善が乏しく、2009年12月当院でがん遺伝子治療を追加して行いたいとのご希望でした。
治療方針 化学療法を補完する立場で遺伝子治療を実施しました。
治療経過 2009年12月~2011年5月

約1年6か月の間に、1U~5U/回を経静脈カテーテル・点滴投与にて、遺伝子治療を5回行う。

肺転移巣は縮小して消失。



2011年1月~2017年12月

他院でホルモン療法を継続しながら、遺伝子治療の頻度と量を落とし、1U/回、4~7か月に1回の頻度で点滴投与にて11回行う。

(2014年1月他院にてフォローアップCT、転移巣は縮小したままで新病変もなし。)



2018年1月~2018年6月

2018年1月に他院にて右腋窩リンパ節転移再発を指摘され、頻度・量を上げ遺伝子治療を追加。

2U~3U/回、約1か月に1回の頻度で、経静脈カテーテル・局所注射・点滴投与にて、遺伝子治療を7回継続。

2018年6月の治療ではエコー診断にて縮小顕著。狙いを定めてエコー実施をしなければ分からないほど目立たなくなっていました。リンパ節転移も完全に消失。



2018年10月~現在 3U~5U/回の量で遺伝子治療5回継続中。

2018年11月のCT、骨シンチグラフィーでも右腋窩リンパ節転移が顕著に縮小。
治療状況 引き続き、3~6ヶ月周期で治療を継続したいとのこでしたが、遠方からの来院のため新型コロナ感染症行動制限期間中は無理の無い範囲で通院していただくことにして治療を継続しています。
治療期間 2009年12月~現在まで継続中(12年間)
費用 治療総額:計29回の治療でおおよその治療費 計 5,868,500円。(税込)

※遺伝子製剤の投与量単位(U:unit)について
遺伝子治療製剤の投与ボリュームを表現する際に
・Titer: 遺伝子を運ぶウイルスベクター粒子の数または感染価
・ベクターコピー数 
などが用いられます。
投与量単位(U)は、当院で便宜上設定したもので公的な基準ではありません。
具体的には、当院で設定している1Uは1.0×10^8(10の8乗)=1億ベクターコピーに相当します。
治療のリスク 大規模な二重盲検試験が実施されておらず未承認治療です。
注射部の内出血、軽度疼痛、一過性の発熱(37-38℃)など、軽微な副作用が生じる場合があります。

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