2010年学会資料

2010年6月17日(木)と18日(金)の2日間、第30回日本静脈学会総会が宮崎に於いて開催されました。

北青山Dクリニック院長 阿保 義久が、会長要望演題として、「波長2000nmレーザーによる伏在型下肢静脈瘤の血管内治療の評価」を発表いたしました。


臨床効果の比較検討に使用いたしました2000nmの血管内レーザーは、現存のレーザー機器の中で、最小の照射熱量、最短の手術時間で、高い治療効果を示し、かつ合併症の発生頻度を抑えることが示されました。また、患者治療満足度は90%を声、患者の期待に応える治療効果を得ることができました。

波長2000nmレーザーによる伏在型下肢静脈瘤の血管内治療の評価

目的

波長2000nmのレーザーによる下肢静脈瘤の血管内治療の臨床効果を他の最新レーザー機種と比較検討する。

レーザー吸収曲線

予備検証

●目的

各種血管内レーザー照射によるヒトの伏在静脈瘤血管壁の病理学的変化を比較検証し、至適照射条件を決定する。

●方法
レーザー
波長980, 1320, 2000nmの3種類
材料
ストリッピング手術で抜去した伏在静脈
照射方法
  • 材料を10cmほどの切片に分離
  • 血液を充満させた血管モデルを作成
  • 作成モデルで血管内レーザー照射を実施
比較内容
各条件下での血管壁の病理学的変化

Ex vivo EVLT

Ex vivo EVLT

病理組織学的結果

対象

  • 2005年7月~2009年6月にEVLTを施行し、6カ月以上の経過観察を行い得た 531肢
  • 平均年齢 57.9歳
  • 男:女 137:394
  • CEAP 2~6 平均 3.0
  • SMV 448肢
  • SPV 83肢
  • 980:1320:2000 47:395:81肢

レーザー治療指針・照射条件

比較項目

  • 平均手術時間
  • 平均照射時間
  • 平均照射熱量
  • 閉塞率
  • 合併症
  • 治療満足度

結果1

平均手術時間

結果2

平均照射時間

結果3

平均照射熱量

結果4

閉塞率

結果5

合併症発生数

結果6

治療満足度

まとめ

波長2000nm 血管内レーザー治療は、現存のレーザー機器の中で最小の照射熱量、最短の手術時間で、高い治療効果を示し、かつ合併症の発症頻度を抑えることが示された。患者治療満足度は90%を超え、患者の期待に応える治療効果が得られた。

結語

下肢静脈瘤の血管内レーザー治療において波長2000nmレーザーは、現存のレーザー機器の中で、最も優れた治療効果及び合併症抑止効果が期待できる。


回答数 95人
性別
30.5%

69.5%
年代別 30代
40代
50代
60代
70代
80代
2.2%
5.4%
24.7%
46.2%
19.4%
2.2%