下肢静脈瘤治療から数年後の再発についてdoctor-blog

昔ながらの下肢静脈瘤治療である「ストリッピング手術」について、長期経過後の再発に関する論文を読んだことがあります。
概要は、「再発は多くの症例で起こるが、補助療法である硬化療法で対処できる程度」というものでした。

一方で、当院でも行っているレーザーや高周波による血管内治療の長期経過例に関してはほとんど研究されていないようです。

そこで、国内でも早くからレーザーによる下肢静脈瘤の血管内治療を手掛けてきた立場として、レーザー治療から長期経過後の再発に関する調査を実施しました。

調査は、同時期にストリッピング手術と血管内レーザー治療を受けた患者さんの再発形態について比較しました。
いずれも治療後7~9年経過しています。

結果、血管内レーザー治療の方がストリッピング手術に比べて再発の程度が小さい、ということが示されました。
つまり、レーザー治療は術後の負担が小さく回復が早いことに加えて、長期間経過した後の再発についてもストリッピング手術より優れているということになります。

このことは先の学会で発表する予定ですが、上記のように今までにない報告になりますので、意義のある発表になると考えています。


血管内レーザー治療の様子

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会