10年前から日帰り根治手術doctor-blog

最近では、下肢静脈瘤の日帰り手術が当たり前のことになってきましたが、
10年前には下肢静脈瘤の根治手術であるストリッピング手術を日帰りで行う発想など全くありませんでした。
国内のどこの医療機関でも日帰りでストリッピング(下肢静脈瘤の根治手術で血管を抜去する手技)を行っている所は見つかりませんでした。

私が総合病院で下肢静脈瘤のストリッピング手術を入院管理で行っていた頃から、麻酔の抜けが早い患者さんは、
手術翌日から普通に歩けるし、日帰りでストリッピングが行えるのではないかと考えていました。

今から10年前になりますが、アルバイトで勤務していた都内のとあるクリニックで日帰りのストリッピング手術を試験的に行ってみることにしました。
今までどこでも行われていなかったクリニックでのストリッピング日帰り手術を、患者さんの協力もあって、問題なく行うことができました。
それほど難しい麻酔を用いたわけではなかったので、日帰りストリッピング手術が問題なく行えることが示されてもあまり感動はなかったのですが、患者さん達や他の医療スタッフは、いたく喜び、感動していたのを覚えています。

入院施設の全くない普通のクリニックで、下肢静脈瘤の根治手術であるストリッピング手術が問題なく行えることを10年前に証明したことになります。
それ以前も、確かにクリニックで日帰りの静脈瘤治療を行っている所はありましたが、ストリッピングではなく、
高位ケッサツ手術と硬化療法を組み合わせた根治度が低い治療法でしか日帰り治療は行われていませんでした。
再発が多いために、高位ケッサツ術は根治手術として普及しなかったわけです。

その後、日帰りでストリッピング手術が問題なく行えることを同僚や後輩のドクター達にも伝え、徐々に下肢静脈瘤の根治手術であるストリッピングが日帰り手術として普及してきています。
私と同じように、クリニックレベルでストリッピングの日帰り手術を行っていたドクターが当時他にいたかどうかはわかりませんし、最初に始めたからどうだということではないのですが、自分で言うのもなんですが、少なくとも関東圏では下肢静脈瘤の日帰り根治手術に関しては自分がパイオニアだと自負しています。
最近下肢静脈瘤治療に関して、誇大広告をする医療機関が目に付くものですから、日帰りストリッピング手術のoriginをお話させていただきました。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会