予防法などdoctor-blog

質問:
下肢静脈瘤の発生を予防したり、進行を抑えるにはどうしたらよいのでしょうか?

回答:
下肢静脈瘤は徐々に増悪していきます。早い時期に適切な対応をしておく必要があります。
下肢静脈瘤の原因となる下肢静脈の状態は、
①立ちっぱなし
②低気圧
③高温
④ホルモンバランスの乱れ
⑤遺伝的に血管が弱い
⑥ふくらはぎなど下肢の筋肉の低下
などから発生します。

ふくらはぎの筋肉は、第2の心臓とも呼ばれるほど静脈血を心臓に送り返す際に重要な働きをします。
すなわち、圧迫療法や足を高くしたりする以外にもふくらはぎの筋肉を衰えさせないようにする(プール歩行が有効)ことも予防に繋がるでしょう。
下肢静脈瘤は、手術や硬化療法などを行わないで放置しておくと、徐々に増悪していきます。

弾性ストッキングは、静脈瘤の発生を予防したり、症状の進行を食い止めたりはしますが、疾患自体をを解消するものではありません。
深部静脈血栓症が万が一ある場合は、肺梗塞など急変のリスクがありますが、下肢静脈瘤だけですと急変する可能性は殆どありません。
日常的には弾性ストッキングを着用して、早めに治療をしておくことをお勧めします。

監修医師

院長名 阿保 義久 (あぼ よしひさ)
経歴

1993年 東京大学医学部医学科 卒
1993年 東京大学医学部附属病院第一外科勤務

虎ノ門病院麻酔科勤務
1994年 三楽病院外科勤務
1997年 東京大学医学部腫瘍外科・血管外科勤務

2000年 北青山Dクリニック開設

所属学会 日本外科学会
日本血管外科学会
日本消化器外科学会
日本脈管学会
日本大腸肛門外科学会
日本抗加齢学会