症例・治療事例CASE

がん遺伝子治療その他

【がん遺伝子治療】症例(20)80代女性 白血病

2024.09.10

ご相談内容 食欲・活力低下でWBC(白血球)高値、血小板減少のため点滴加療したが症状改善せずがん専門病院を紹介、急性白血病の疑いで標準治療を開始したが、副作用が強く、血小板低値、白血球数低値などの採血結果から抗がん剤治療は1回で断念。がん遺伝子治療を開始したい。
治療方針 遺伝子治療を実施。
治療経過 2024年5月
初回5U(単位)、2回めから10Uで毎週投与を点滴治療で対応する。
遺伝子製剤 初回5U(単位)、2回目10U投与。
遺伝子治療で気分不快などの訴えなく、副作用はない。

2024年6月
遺伝子製剤 10Uを4回投与。
病状は変わりなく、安定している。
浮腫の原因となる腎機能障害、低アルブミン症などについては
改善傾向にあるが、貧血は軽度に進んでいる。
食事が摂れているとのことなので、両膝下のむくみに対しては
無理のない範囲で散歩など下肢の筋肉を使う、
適度な圧迫やマッサージを行うことを指導。

マッサージすると少しましになるとのこと、弾性ストッキングを購入。
「食事が摂れるようになって、状態は安定している。
改善傾向を感じる。」と付き添いのご親族より。
「自分では順調だと思ってます。ひとりで長く歩けるようになってきた。
下肢の浮腫あるが少し改善してきたように思う。」とご本人。

2024年7月
遺伝子製剤 10Uを4回投与。
両膝下のむくみに対しては
「弾性ストッキングを履いてから、足の浮腫がなくなって嬉しいです。
毎朝、足の血管をみて確認するのが楽しみです。」
「7月上旬からあったふらつきが以前と比べて少なくなった。
 治療後は浮腫が軽くなって2日くらいするとまた浮腫むことがある。」
7月の3回の治療後
「食欲はあり食べられています。
 前までは怖くてやりたいことができなかったけれど、
 今は安心してやりたいことができます。ほんとうによかった。」と。

2024年8月
遺伝子製剤 10Uを2回投与。
「元の体に戻ったような感じ。前はよたよた歩いていたけれど、
 今はスピードを出して歩けるようになりました。
 食欲もあり毎日外出できるくらいになりました。」
7月よりあったふらつきも8月下旬には解消したとのこと。

2024年9月
遺伝子製剤 10Uを投与。
現在も週1回の間隔で遺伝子治療を継続中。
治療状況 当院と連携した医療機関で標準治療、当院において遺伝子治療を実施。高齢であり、標準治療ができないケースであるが、遺伝子治療開始直後から調子がよく症状が安定している。
治療期間 2024年5月~2024年9月(4か月)継続中
費用 治療総額:計13回の治療で治療費 計 5,846,500円。(税込)

※遺伝子製剤の投与量単位(U:unit)について
遺伝子治療製剤の投与ボリュームを表現する際に
・Titer: 遺伝子を運ぶウイルスベクター粒子の数または感染価
・ベクターコピー数 
などが用いられます。
投与量単位(U)は、当院で便宜上設定したもので公的な基準ではありません。
具体的には、当院で設定している1Uは1.0×10^8(10の8乗)=1億ベクターコピーに相当します。
治療のリスク 大規模な二重盲検試験が実施されておらず未承認治療です。
注射部の内出血、軽度疼痛、一過性の発熱(37-38℃)など、軽微な副作用がある場合があります。

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